銀の天井が近い
金銀は同時に目先のピークを迎える
最近の銀価格は近いうちに天井を打つでしょう。金も似た動きになるでしょう。ポイントは2つです。
❶天井を打つまでの最終段階では大きく上昇する
❷金銀価格は相関性が高い。銀が天井を打つ際、金も目先の天井となる
銀相場はすでに危険な状態
長期投資で資産を守りたいなら、今は銀への深入りは禁物です。今日はその理由を3つのデータで解説しましょう。
- 出来高比較
図表1は、金と銀の出来高の比率を示したものです。銀の出来高が5枚金が10枚だとしたら、この比率は0.5になります。
過去の推移を見ると、市場規模は金の方が圧倒的に大きく、銀はその弟分に過ぎません。しかし現在、銀の出来高が急増し、金の出来高に対して0.8という異常な水準に近づいています。
過去のデータを見ると、この0.8のラインに達した時、銀相場はピークを打ち、下落に転じることが多いです。
- 順ザヤの拡大
図表2は順ザヤを示したものです。
順ザヤとは何か?
例えば、本日の金価格が80ドル(1オンス当たり銀価格)だとします。これは第一限月(2026年3月に銀現物を引き渡す際)の価格です。これに対して第二限月(2026年6月引き渡し)が82ドルだとします。
商品別に違いますが、限月の間は一般には3か月間程度です。
限月間の価格差をサヤと言います。上記の銀の場合は2ドルのサヤです。通常は第一限月の方が安く、第二限月が高いです(この場合順サヤと言います)。生産者には引き渡し期間が3か月間後になるので倉庫代、金利負担がかかることになるからです。サヤは生産者に払うコストだと考えてください。
現在の銀価格の問題はこの順サヤが拡大していることです。
図表2のグラフの黄色い丸で囲った部分を見てください。1980年や2011年のように、この価格差が下に大きく突き抜けた(順サヤが大きく拡大した)後、銀価格はピークをつけています。今回も相場の転換点が近いシグナルと見るべきです。
- 「胴元」がブレーキを踏み始めた
警戒すべきは、取引所(CMEなど)の動きです。彼らは相場がコントロール不能になると、容赦なくルールを変えてきます。
図表3を見てください。これは2011年の銀バブル崩壊時のデータです。
当時、銀価格が高騰した際、取引所は「2週間で5回」も証拠金引き上げを行いました。これにより投資家は追加の現金を払えなくなり、強制ロスカット(強制決済)の連鎖が発生しました。
一般に、価格が上がると出来高が急増します。これにつれて、銀の現物引き出しの要望も増えていきます。引き出し要求は通常、出来高の1%程度ですが、出来高が増えると用意しなくてはならない銀現物が増えるので、取引所で対応できなくなる可能性が拡大します。
しかも、銀価格高騰時には、現物の引き出しの要求が3%にまで上昇することも考えられます。その場合、取引所が「機能不全」と言われてしまうことになりかねません。
それを避けるためには、出来高を増やさないことが肝要です。価格が上がらなければ、出来高は増えていきません。このため、取引所は価格抑制に走ります。
銀は「落ちるナイフ」になる
銀投資における最大のリスクは天井後の暴落です。図表4は過去の銀価格の暴落の歴史です。
銀は上がるときも急激ですが、下がるときの破壊力は金の比ではありません。 過去にはピークから83%の下落、あるいは70%の下落を記録しています。一度値崩れすると、長期的な下落トレンド入りし、資産の大半を失う可能性があります。
長期投資なら「金」一択
このような状況から貴金属投資をするなら金が最良です。ただし、問題は「金銀は歴史的に同時にピークを迎えてきた」ということにあります。今後、銀が主導役となって金も目先のピークを打つことになるでしょう。
どのくらいの幅、どのくらいの期間、金価格が下がるかはわかりませんが、長期的には金が大きくクローズアップされる時が来ます。現在までもかなりのペースで上がって来ましたが、まだまだ助走のようなものだと思ってください。
金は今後も「少しずつ買い増していく」のが賢い方法です。来たる金融危機の際にはフル投資にしておくのが最善です。
ゴールドの投資法については、来る福岡セミナーにてお話します。
本稿は1月19日にLIVE会員向けに配信した動画『銀上昇は続かない』
の要約版です。